2017年12月8日金曜日

寒冷地の対策その2・意外と気付かない油のお話

☆寒冷地の対策その2・意外と気付かない油のお話
さて野辺山の全日本直前になりました。付近の気温を見ていると、最高気温も0度から氷点下と、相当厳しいです。例年の野辺山2daysよりもさらに寒く、ひょっとしたら積雪もあるかもしれません。
こういうレースだと、ついつい雪対策に気をとられてしまいますが、本当に厄介なのは低すぎる気温。。これはホントに困ったもんです。
野辺山で既にお気づきかと思いますが、ウォーミングアップ用オイルを塗ろうとしたら固まった!出てこない!!という現象、ベースオイルによく使われるホホバオイルは5℃ぐらいで完全に固まるので、ぬるま湯等で容器を温めてから使うと、馴染みもよくなるそうです。寒いときは特に、時間に余裕を持って準備するといいですね。
こんなふうに、寒くなるとオイルの粘度が上がって思ったように使えない、うまく塗れないという現象は、チェーンオイルでも多かれ少なかれ出るようです。そこで先日、Muc-Offご担当様に、寒冷地ではどんなオイルがお勧めか伺ってきました。
意外なことに、お勧めはドライ用のオイルだそうです。(Muc-OffだとC3ドライセラミックルブ)
氷点下になると、細かい水分(洗車の霧や滴った水も短時間で凍ります。氷点下じゃないと、なかなか見られない現象が起こるので、ご観覧の方は水に気をつけて洗車にも注目。。)が凍ってしまいますが、ウェット用のオイルはその細かい屑を巻き込みやすく、さらに泥を呼んでチェーンの抵抗を増してしまうとの事。サラサラしたドライ用のオイルは屑を巻き込みにくいが、落ちやすいので頻繁に注油するよう気をつける、とのことでした。
普段、氷点下まで下がらない気温のところにお住まいの方は、何種類かチェーンオイルを用意して、状態を見て使ったほうがいいかもしれませんね。
チームでも愛用品が多いMuc-Offのケミカルはこちら。。
http://paxcycle.com/?mode=cate&cbid=2141256&csid=1
では、極寒の野辺山をアツく楽しみましょう!!
箱の人@ダンボール箱あったかい♪

2017年11月24日金曜日

野辺山直前! 寒冷地のレース準備メモ!

☆野辺山直前! 寒冷地のレース準備メモ!
さて、やりっぱなしの記事が多いのですが、今週末はシクロクロスのお祭り、野辺山2daysです。エントリーもあっという間に埋まり、大変な人気のようですが、寒冷地のレースは初めてという方もいらっしゃるかもしれませんね。
パックスサイクルはわりと寒冷地に位置しているので、日頃からやっている寒さや雪の対策は、初めての冬レースには役立つかもしれません。寒い、というと、着込めば良いのでは?と思いがちですが、氷点下を下回る気温だと、思いがけないトラブルが多々あります。
宮津選手を始めとして、先日のSDA王滝レポートが上がっていますが、凍結や積雪に苦しめられ、苦戦を強いられた様子が沢山伝わってきます。
※余談ですが、多分今後、そこまで過酷で長い氷点下のレースは、安全面を考えると開催できないかもしれません。出場された選手の皆様は、公開するしないはともかく、装備、状態、やったこと、起きたトラブルなど、メモでも構わないので、忘れないうちに記録しておくのをおススメします。それは自転車レース史上に残る貴重な記録になるかと。。
・車の準備編
車で来られる方が多いと思いますが、スタッドレス、チェーンなどの凍結、積雪の為の装備をお願いします。予報では晴れで、現状積雪が無いようなので、要らないだろうと思われるかもしれません。また、積雪地以外では、冬の装備は使う機会が無いので、出費を抑えたい気持ちも分かります。
しかし、一度でも降雪があって、朝晩の気温が氷点下を下回っているなら、その地域でのご挨拶は「もう換えた?」になります。(これホントです)
こんな経験した人居ませんかね?冬に出先の積雪地のコンビニで、やたらジロジロと車を見られたり、周りをうろうろされたり。
県外ナンバーだからってふざけやがって!感じ悪いな~。
コレ、切実な事情があります。「除雪してるからと夏タイヤで来た遠方の車のスリップ事故」というのは、この時期のニュースでよく流れています。。一見除雪してあるように見えても、特に山間部では強風が吹くことも多く、地表近くでは水分が凍結して、スリップしやすい状態になってます。(レースに出る車は、めいっぱい積載していたりで重量も嵩んでいることもお忘れなく)
やっぱり県外ナンバーの車のタイヤ事情は、地元の人は気になってしまうんじゃないでしょうか。勿論、スタッドレスに換えたからといって、スリップの危険が無くなるわけではないですが、「この時期なのに夏タイヤの、自転車を載せた県外ナンバー」はどう見られるか、御一考の程を。
その他に用意しておいた方がいいものは。。
・雪落とし用のワイパー棒(乗っけたまま走る車が居ますが、後ろの車に雪の塊がぶっ飛びますよ!)
・小さなスコップ
・ボロ毛布やダンボール
・エマージェンシーシートや保冷バッグ
なお、車は恐ろしく冷えます。
朝晩の気温が氷点下を下回るところでは、迂闊に液体(特に瓶)を置いておかないよう気をつけましょう! 
全然、自転車の話じゃないですが、冬のお出かけの際はご参考に。。
箱の人@野辺山でお汁粉食べよう♪

2017年11月18日土曜日

HTペダルのメンテナンスについて(その1)

☆HTペダルのメンテナンスについて(その1)
今週末も各地でCXレースが開催されていますが、どういうわけか今年は泥コンディションが多いようですね。レースも大変ですが、レース後のメンテナンスも大変。表面の泥だけではなく、洗車によるダメージも気になります。
さて、CXレースでも多数のライダーにお使い頂いているHTペダルですが、シール部分はあまり頑丈ではありません。泥や雨のレースになると、泥が内側に入り込み、ヤスリのように内部を削りガタの原因になってしまいます。
なにそれ面倒くさい。メンテナンスフリーだといいのに。と思われるかもしれません。
はい。メンテナンスフリー、とても響きのいい言葉ですね。
実現する為にはどうすればいいか。内部の密閉度を上げれば、分解が困難になるでしょう。シールを頑丈にすれば、重量も確実に増します。HTペダルの強みである「軽量で回転が軽く、構造が簡単」からは、どんどん離れていってしまいますね。
高圧洗車機を多用するようなCXのレース等ではむしろ、構造が簡単で手軽にメンテナンスできる(=いい状態にすぐ戻せる)方がベターではないでしょうか。
HTペダルは部品点数も少なく、構造もシンプルなので簡単に分解してメンテナンスができます。動画も公開されています。型は違いますが、手順は同じです。
https://www.youtube.com/watch?v=0cdp-zroZyo&t=1s
用意するものは ペダルに付属の8mmビットソケット、5mm六角レンチ、グリス(テフロングリス推奨) 6mmソケットレンチ(無い場合は6mmスパナやモンキーレンチ、万力でも代用可能)となっております。
動画でも説明されていますが、注意すべきなのはシャフトネジを締める際、締めすぎてしまうと、ペダルの回転が渋くなり、もっと締めこんでしまうと、ベアリングを破損してしまう可能性があります。
ペダルボディを掴んで揺すってもガタが出ない、かつ、スムーズに回転するところで止めます。一気に締めこまず、アタリが出る手前で少しづつ締めて加減を見ると良いでしょう。
なお、右ペダルは逆ネジになっています。間違えてネジ山を破損させないようご注意下さい。
次回は実際にやってみた編です!すごい色のグリスが出てきましたので、お楽しみに!
箱の人@メンテ必須の箱ですから
YOUTUBE.COM
How to maintain and service the HT X1 pedal.


2017年11月1日水曜日

人気沸騰?!低圧専用エアゲージ! を使う前に。。

掲載以来、人気の商品「パナレーサー タイヤゲージ低圧専用」は、さすがCXの会場でも皆様使っていらっしゃいました。
確かに従来のエアゲージでは低圧が見づらいし、細かい調整がやりにくかったので、コレはみんな使いたいだろうな、と思ったのですが。。
ちょっと気をつけて欲しいことが一つ。
「一度でも、針が振り切れるほどの高圧で使うと、壊れる恐れがあります!」
高圧のロードバイクと兼用できないのは勿論、普段低圧で運用するチューブレスタイヤでも、組付け後のビード上げの為に、目一杯エアーを充填するかと思います。
恐らく、上限軽く超えちゃってますね。。
空気圧を測るときは、そういう状態なら少しエアーを抜いてから、という習慣をつけるといいかと思います。
なお、圧力計の選び方で参考になるサイトはこちら。。
https://atsuryokukei-proshop.com/wppost/plg_WpPost_post.php…
「実はもう振り切れるまで使っちゃってるんだけど、使えてるから問題ないんじゃない?」というご意見もあると思いますが。。
3合炊きの炊飯器で5合のごはんを炊こうとすると、どうなるでしょうか?水を入れた時点で溢れちゃいますね。さらに無理やり沸騰させたら大惨事でしょう。そして、その後始末をした後に「この炊飯器、キレイにしたから使えるよね?」と言われたら。。「うーん、使わないほうがいいんじゃない?」って結論になると思います。
いきなり想定の倍ぐらいの圧をどーんと掛けられた計測器、計測器として信頼できるんでしょうか?多分「保障はできない」って答えになってしまうと思います。
そして、ちょっと面倒なことに、パナレーサーの従来のエアゲージと、この低圧専用エアゲージ、外観が殆ど一緒(目盛りを見ないと分からないレベル)なんです。
うっかりロード用の工具箱に紛れて、あまり意識せずに使ってしまう、なんてことも考えられますね。
そこで、当店オンラインショップで販売する分には、特製保護ステッカーを付けることにしました。是非使ってみてください。
箱の人@箱にもステッカー付けよう!
PAXCYCLE.COM
シクロクロスやMTBに便利な低圧専用タイヤゲージ。 フレンチバルブ専用。最大計測内圧:320 KPa※ロードバイクタイヤなど高圧の場合は通常のエアゲージをお使い下さい。

2017年10月26日木曜日

雨と泥のレース準備メモ!

さて、シクロクロスシーズンも開幕ですが、どうやら週末にまた台風?雨?もう勘弁してよーと言いたい気持ちを堪えて、とりあえず準備しましょう!
MTBやシクロクロスのレースに関わっていると、雨や泥のレースには事前準備が肝心なんだなー、というのが実感です。
まだ、雨や泥での環境で走った経験が少ない方は「ちょっと濡れるぐらいでしょ?」と思われるかもしれませんが。。
これからの時期、雨や水濡れで体温を奪われると、低体温症の危険があります。危険っていうぐらいだからホントに危険なんですよ。。
去年の野辺山で、ずっと雨に濡れっぱなしの選手達がレース後、言葉もなくずっと暖房の前で震えていたのを思い出します。1時間程のレースでも消耗ぶりは相当です。テント、暖房、着替えや食べ物など準備しても、相当しんどかったと思うので、その準備がもし無かったら、と考えると、恐ろしいですね。
というわけで、雨と泥のレースにあったほうがいい、ちょっとした物メモです。もちろん、選手だけでなく観戦の参考にもなるかと思います。
・雨合羽、複数!
試走から雨だったら、迷わず合羽着てGO! 雨じゃなくても地面が濡れていたら、容赦なくレーパンに水が染み込みます。 そして洗車や後始末のためにも、合羽は複数あると良いです。
・長靴
既に駐車場から泥沼なことがあるので、すぐ履ける所に入れておくと良いです。防寒目的でなければ、話題の「野鳥の会長靴」や、ネオブレーン素材の農業用長靴ならコンパクトに畳むことが可能なので、自走の人も持ち歩きできるかと思います。
・ビニール手袋
はめたまま作業が出来る、使い捨てタイプの薄い物は泥レースに重宝。バイクを組んだりチェーンなど触るなら、油にも対応する二トリル製がおすすめ。
・ブルーシート、ウエス
泥だらけになったら着替えを置く場所にも困るもの。覆ったり掛けたり置いたり、いろいろ活躍するブルーシート。安価なので多めに準備。使い捨てのウエスは、バイクを拭いたり、泥を拭ったり、身体を拭いたり重宝。市販品もありますが、意外と水分を吸わない生地が混じってるのもあるので、ヨレヨレになったタオルや衣類を切ったもので十分。
ポンチョ型雨具
観戦や待機時の防寒具にもなるのですが、着替える場所が無いときがあるので、特に女子選手におすすめ。プール用お着替えタオルよりも、泥がついたときの処理がラクです。透けない厚さや色のもの、着替えできる長さや、手を出し入れできる空間があるか、選ぶ時にチェックしてみてください。
・ゴミ袋、コンビニ袋
濡れたもの、汚れたもの、捨てるもの、色々ひっくるめて入れて持ち帰るために、多めに持っていくといいでしょう。コンビニ袋は、足元が泥だらけの時に、簡易シューズカバーとして使えます。どうせ汚れるのですが、スタート前に泥がこびりつくと、クリートキャッチしにくくなるので。。
他にも色々あるので、好評なら追加します。
ここまで読んで頂いてお気づきでしょうが、雨や泥のレースは荷物が増えます。。自走ライダーには辛いですね。もし自走ライダーがお知り合いに居るときは、車に荷物を置かせてあげたり、多めに雨装備持って行ったり、少し気遣いしてあげると良いかと思います。
おっと、ここまで来て全然取り扱い商品が無いことに気づきました。。
雨や泥のレースにあると快適度が違う、Dexshellの防水小物取り扱い開始しました!!特に用途によって厚さが選べる防水ソックスは、トレラン等でも人気のようです。今年雨レースが多いですね!準備はお早めに!!
箱の人@寒いの苦手

2017年8月26日土曜日

HTペダルM1&T1のクリートの話をしようか

ハイ、お待たせしました。CXシーズンも間近でお問い合わせも多くなってきましたが、いまのところ来週入荷予定+トレイルライド向けT1も入荷します。お取扱い開始のショップ様、ありがとうございます。
さて、このペダルが気になっている皆様の、気になるポイントの一つは「クリートが色々あるんだけど、どう違う?」ではないでしょうか?
まず、ペダルにはX1とX1Fの2種類のクリート、プラスチックシムが2種類、左右調整用ワッシャー、ボルトが2種類と金属プレートが1ペア付属しています。
左右調整用ワッシャーはシマノのSPDクリートと同じように取り付けします。
クリート自体はスチールで丈夫です。
ちょっと歩いたぐらいでは、そう簡単に減らない感じです。
ソールの素材によってはクリートが食い込む場合があり。ソールを壊す可能性があるので、付属の金属プレートは食い込みからの保護用だそうです。
プラスチックシムは、嵌め合せの調整用。選手によると、泥が付くコンディションではそのまま付けると嵌りにくくなるため、シムで少し底上げして付けると嵌りやすくなるとの事。シムが大きすぎて取り付け位置に引っかかるときは、カッター等で削ってみてください。ボルトも長短2種類あるので、シムの厚みやシューズによって使い分けが可能。
で、肝心なX1とX1Fですが、見た感じ殆ど一緒で、スペック上はフロート角が異なっているぐらいです。
実際に取り付けてみると、X1はわりとシマノのSPDに近く、「かちっと嵌って、かちっと外れる」といった所でしょうか。
X1Fは嵌る際も外す際も、ちょっとヌルッとした感覚。
嵌めた状態で結構つま先を動かせます。
シマノ乗換え組からの感想ですが、まず使ってみて、すんなり使えそうなのはX1の方かな?といったところです。
もちろんペダル自体に調整ネジがあるので、そちらで好みの着脱のフィーリングを設定して使います。調整の幅が広いので、かなりマイルド(乗せれば嵌るぐらい)から相当ガッチリまで設定できるようです。
さて、ここまでは付属のクリートですが、オプションのX2、H30とはどんなクリートでしょうか?
HTからの説明では、固定力の強さは X1F<X1<H30<X2だそうです。
X2はBMX用、H30はBMX/DH用となっていますが、おそらく固定力の強さから考えたユーザーの想定でしょう。既に使ってみた選手からは、X2とH30を比較した場合、H30のほうがホールド感が強いかも?という感想もあります。
そのあたりは足の感覚、クリートの位置、力をかける位置等、個人差が大きいところでしょうね。いまのところ、XCエリート選手ではX2が優勢のようです。こちらのまとめも是非ご参考に。。
https://twitter.com/i/moments/859173972549685248
尚、X2、H30にはプラスチックシムとロングボルトは付属していません。
クリートの違い、そして調整しろも考えると、調整の幅が相当広いですね!
是非色々試してみてください!!
クリートもオンラインショップで単品販売しています。
追加や買い足しの際にご利用下さい。
http://paxcycle.com/?mode=cate&cbid=2279744&csid=1
箱の人@マイルドでお願いします
このウェブサイトについて
TWITTER.COM
意外と知らない、ほかのひとのクリート事情。HTユーザーのライダーの皆さんは、どんなクリート位置?

2017年8月17日木曜日

ニップルの種類とサイズ その2

・似て異なるニップル
使用する機会が多いニップル、実はメーカー毎に僅かに違いがあるのをご存じでしょうか?ネジ切りの位置、ねじ山の長さなども実は僅かに異なっています。組立て作業中に混ぜて使ってしまうと、作業性が悪かったり、テンションのばらつきが生じたりする原因になります。「1本のホイールには1種類のニップル」 作業をスムーズに進める小さなコツです。
ではニップルを混ぜてしまった場合はどうしたらいいでしょうか?特にブラスニップルは色も形も見分けがつきにくいです。ベストなのは混ざった可能性があるニップルは処分して、新たに揃ったニップルを用意する方法だと思われます。
しかし、いつもそれが出来るとは限らないですね。混ざったニップルをなんとか分類しないといけない時も、きっとあると思います。そんな時に思い出して頂きたい、PAXCYCLEで取り扱っているメーカーのニップルの違い色々です。殆どのものは1個からでも購入できますので、色々な種類を入手してみて、形やネジ位置など色々追求してみると、同じようなニップルでも違いが掴めて来るかと思います。
・ホシのニップル
もしかすると、混ぜて組んだけどすぐ気が付いた、というケースが多々あるかもしれません。明確な違いは、2面幅がJIS規格の3.4mmであること。欧州サイズに多い3.2mm用のニップルレンチが嵌りません。 他の違いは、平らで薄いヘッド部の形状がポイントでしょうか。#14、#15の見分け方は#15の頭、上面に小さな突起があることで容易に見分けられます。(アルミニップルも共通)

ホシのブラスニップル。ヘッド部分は平ら。



#15 ホシ ブラス 頭の部分に突起が見える
・DT SWISSのニップル
頭の上の部分が柔らかな丸みを帯びているのが特徴。2面幅の部分はキッチリと切れています。#2.0と#1.8の見分け方は、#1.8の方の頭の部分にリング状の刻みがあります(ブラスニップルのみ)古いものでは、この区別が無いものも存在しています。
残念ながらアルミニップルの#1.8と#2.0の見分け方は、スポーク穴の直径が僅かに違うぐらいで、混入すると見た目だけでは困難になります。一つ一つスポークを差し込んでネジ込めるかどうか確認したほうが良いでしょう。

DT SWISSの#1.8ブラスニップル。上面にリング状の刻みが入っている



DT SWISSのアルミニップル。ちなみに文頭の写真はSAPIMのアルミニップル。形状の違いにご注目。

・SAPIMのニップル
Polyaxという、ヘッド部の下が丸みを帯びた形状が特徴。 下の角が面取りされた形状、上面は真っ直ぐ、他は曲線を帯びている印象です。14Gと15Gの見分け方は、店在庫のみ観察したところ、特にありませんでした。(現行モデルは違う可能性もあります) ちなみに、SILS(緩み止め加工)は頭の下あたりに小さな突起があります。こちらも、ノーマルのニップルと混ぜて組んでしまうと、テンションのばらつきの原因になります。



Poliyaxの形状は、ボールジョイントのように機能しスポークとニップルのラインを真っ直ぐ保つ役目を果たす。



SILS(セキュアロック)ニップルは頭の下部分の小さな突起が目印。

2017年7月30日日曜日

ニップルの種類とサイズ その1

ニップルの種類とサイズ その1

初めてホイールを組む人にも分かりやすいよう、内容を絞ったニップルの雑学です。スポークに比べて目に入る部分が少ないニップル、でもホイールを組む上では欠かせないパーツです。用途によって様々な種類やサイズがあります。また細かいパーツですので、混ぜないよう注意してください。同じサイズでも、メーカーによって仕様が異なります。混ぜるとホイールを上手く組むことが出来ません。


・ニップルの種類
目にする機会の多いノーマルタイプの他に、内蔵専用のインナーニップル、機械組み用のヘッドに加工が施されたもの、リムや完組アルミスポーク等の専用ニップル、緩み止め材がついたものや緩み止め機能があるもの等、様々な種類がありますので、用途によって使い分けします。専用のニップルレンチが必要な場合もありますので、組み立て前に確認しましょう。また、リムやスポークによってはニップルの指定があるものもあります。完組ホイールは、専用ニップルになっている事も多々あります。

SAPIMの内蔵専用ニップル。外だしニップルとは逆の方向で使用します。



DT SWISSの一部のリムに付属のプロヘッドニップル。頭の上の突起は機械組みにも対応。


・ニップルのサイズ
スポークの種類とサイズでも触れましたが、使用するスポークの太さによってニップルの径サイズも異なります。 メーカーによって表記が異なりますが、主に使われるものは、
スポーク線径2.0mm=#14=14G スポーク線径1.8mm=#15=15G
太さが違うものの互換性はありません。使用するスポークに合ったものを使用します。
ニップルの長さは12mmが最も種類が多いですが、14mm、16mmのものもあります。厚みのあるカーボンリム等では掴み難い場合もあり、その場合は長いものを使用したほうが良いでしょう。積層の厚い頑丈なカーボンリムでは、16mmが適するケースもあります。
なお、長いニップルを使った場合でも、ニップル側のねじ山の長さは長くなるとは限りません。「スポーク長がやや短めの時、長いニップルを使えば組める?」 答えはノーです。実際に、ねじ山にどのぐらいスポークがかかっているか、組立の前にスポークをねじ込んで確認してみましょう。ネジ山が見えていないだけで、かかりが浅くなっていないでしょうか?



様々な長さと形状のニップル。赤い部分はネジ切り部。すべて同じ長さになっています。スポーク長はどうでしょうか?


サイズについて、注意すべき点がもう一つあります。ニップルレンチをかける部分の2面幅には幾つかの種類があり、ニップルが異なると、違うサイズのスポークレンチが必要になる場合もあります。
例えばホシのニップルはJIS規格の二面幅 3.4mm 、DTなどは 2面幅3.2mm となっており、異なるサイズのニップルレンチを使うと、嵌らなかったり舐めてしまったりします。
一見、普通のニップルに見えるシマノの完組ホイールも、微妙にサイズの異なる2面幅のニップルになっています。ニップルに合った専用のニップルレンチを使いましょう。ペンチ等で無理やり挟んで回すと、舐めて外れなくなったり、壊したりする可能性があります。


・ニップルの材質
手組用として流通している殆どのものは、ブラス(黄銅)かアルミです。アルミは軽量でカラーも豊富ですが、特にテンションを上げると舐めやすいので、組立には注意が必要。初めての手組なら、角を舐めにくく丈夫なブラスが扱いやすいでしょう。なお、ブラスのブラックの着色は剥がれやすいです。気になるようならシルバーが無難。

2017年1月21日土曜日

スポークの種類とサイズ

スポークの種類とサイズ





上:DTコンペティションストレートプル 下:DTコンペティションJベント


















各メーカーが別の規格、名称で表記していて、分かりにくいスポークの種類とサイズ。スポーツ車に使うものにしぼって、分かりやすくまとめてみました。


・スポークヘッドの形状


通常見かける、頭の部分が曲がった形状。「Jベント」「首折れスポーク」等と呼ばれています。


釘のような、真っ直ぐの形状のものは「ストレートプル」「ストレート」等と呼ばれています。完組ホイールにこのタイプがよく使われるようになりました。組立の際は、専用のハブが必要です。※ホシのスポークに「ストレート」と表記があるものはストレートプルではなく、Jベントの段無しスポークです。


・スポークの形状

「プレーン」「段無し」「寸胴」と呼ばれるものは、全部の太さが同じもの。
当店取扱い品:DTチャンピオン、SAPIMリーダー、ホシストレート、PAXオリジナルプレーン 等


「バテッド」「段付き」と呼ばれるものは、首の部分より中央部分が細くなっているもの。
当店取扱い品:DTコンペティション、DTレボリューション、SAPIMレース、SAPIMレーザー 等は両側バテッド(首下とネジ部分が同じ太さ) SAPIMストロングは片側バテッド(首下だけが太い) 等


「エアロ」「扁平」と呼ばれるものは、中間部が扁平に加工されているもの。
当店取扱い品:SAPIM CX-RAY、SAPIM CX、DTニューエアロ、DTエアロコンペ、NJSエアロ 等


・スポークの太さ
太さの表記がメーカーによって異なるため、混乱してしまいますが、互換性は以下の通り。ネジ部の太さはよく使われるもので2種類。線径が同じものは異なるメーカーでもニップルの互換性あり。


線径2.0mm=#14=14G 線径1.8mm=#15=15G


SAPIMストロングは13Gという表記になっていますが、ネジ部は14Gのためニップルは14G(2.0mm)を使用します。


バテッドやエアロは、2.0×1.8mm(DTコンペティション)  CX-RAY2.0、2.2(エアロ幅)0.9(エアロ厚)2.0 のような表記をされていますが、この場合ネジ部はどちらも2.0mm(14G)のニップルを使用します。


#13のプレーンスポーク(シティーサイクルに多用されている)のネジ部は#14が殆どですが、稀に#13ニップルを使用するものがあります。(当店での取り扱いはありません)


・スポークの長さ

○mm、と表記されているスポークの長さですが、メーカー、ロットによってバラつきがあります。スポーク用のスケールを用意し、同じスケールで組むたびに計っておくとよいでしょう。


・ストレートプルスポークの長さ

スポークの全長ではなく、クビに当たる部分から下(スポークが真っ直ぐになっているところから)を計ります。こちらもメーカーやロットによってばらつきがありますので、同じスケールで同じ位置を計るようにしましょう。









2017年1月9日月曜日

加工スプロケットを注文する前に

加工スプロケットを注文する前に


人気に伴って「○○には取付できますか?」というご質問が非常に多いですが、ごめんなさい。殆どが分からない、という回答になってしまいます。


「おいおい、商品を売っておいて分からないとはどういう事だ?」とお怒りになる方も、いらっしゃるかもしれません。


もしも今お持ちの10sホイールが、メーカー純正で11s対応手段があれば(フリーの交換など)少々費用が嵩んでも、そちらで対応して頂いたほうが、より確実に11s対応できると思われます。


加工スプロケットは「息をしていない10sホイールに施す蘇生法」と思って頂ければ分かりやすいと思います。

(もちろんホイールは瀕死ではないので、あくまでも例えです)

助かるかどうかは、やってみないと分からない、でも、何もしなければ息をしないまま、というのがご理解頂ければ。。


元々10s分の幅しか無いところに、11s分のスプロケットを入る状態にしたのが加工スプロケット。変速調整もその分シビアになる(もともと設けてあるマージンを削っているような状態です)ので、取付は出来ても、フレーム側の原因や調整などが原因で、うまく動作しないことも考えられます。


「○○に取付けて問題無かった」という実例があっても、別の車体でうまく動作するとは限りません。そういうリスクを含めて一切の保証はありません。ご理解の上、ご購入頂くようお願いいたします。

(もし動作しない場合は、ロー側3枚がスモールパーツで注文可能ですので、そちらに交換するとシマノ純正11sスプロケットとしてお使い頂けます)


安全に動作するものをお探しでしたら、身もフタも無いのですが、11sに対応するホイールをご用意されるのが一番確実な方法です。あくまでも息をしていない10sホイールを救うのが目的ですから。


有難いことに無事、10sホイールが蘇生したというお声も沢山頂いております。

本当はこういったトリッキーな方法じゃなくても使い続ける手段があれば、素晴らしいんですけどね。。


by 箱の人@ボックスサイクル?!


~~~~キクちゃんから追記です。~~~~

例えば同じホイールなのに使える使えないがわかれたりするのは以下の通り。


リヤエンドが微妙に曲がってる。

今まではクリアランスが十分にありましたが10S用のフリーに11Sを入れる事によって一番ロー側のギアが今までよりスポークに近づきます。

これがリヤエンドの微妙な曲りによってスポークにRDが接触してしまうと言う事があります。


RDの調整幅

メカニックさんによってRDの稼働幅にかなり差があります。(特にホビーメカニックさん)

それこそ落ちなければギリギリまで稼働幅を広げる方は当然RDがスポークに近づくために接触してしまうと言うケースがあります。


11SのRD以外での運用。

10Sや9Sで無理やり11Sで動かすような方でスポークに接触した等の報告がありました。またカンパコンポにシマノ10Sフリーで11S加工スプロケで運用しようとして接触して駄目だった等々。。。


この3つに関しては正直そこまでは当店も把握できないよ~って言うケースなのです。当店で○○には使えますっと書いた途端にそれは責任に代わってしまうので互換性等の質問には一切アナウンスが出来ないと言うのが実情になります。

このあたりをご理解頂いた上でご注文を頂ければと思います。