2017年7月30日日曜日

ニップルの種類とサイズ その1

ニップルの種類とサイズ その1

初めてホイールを組む人にも分かりやすいよう、内容を絞ったニップルの雑学です。スポークに比べて目に入る部分が少ないニップル、でもホイールを組む上では欠かせないパーツです。用途によって様々な種類やサイズがあります。また細かいパーツですので、混ぜないよう注意してください。同じサイズでも、メーカーによって仕様が異なります。混ぜるとホイールを上手く組むことが出来ません。


・ニップルの種類
目にする機会の多いノーマルタイプの他に、内蔵専用のインナーニップル、機械組み用のヘッドに加工が施されたもの、リムや完組アルミスポーク等の専用ニップル、緩み止め材がついたものや緩み止め機能があるもの等、様々な種類がありますので、用途によって使い分けします。専用のニップルレンチが必要な場合もありますので、組み立て前に確認しましょう。また、リムやスポークによってはニップルの指定があるものもあります。完組ホイールは、専用ニップルになっている事も多々あります。

SAPIMの内蔵専用ニップル。外だしニップルとは逆の方向で使用します。



DT SWISSの一部のリムに付属のプロヘッドニップル。頭の上の突起は機械組みにも対応。


・ニップルのサイズ
スポークの種類とサイズでも触れましたが、使用するスポークの太さによってニップルの径サイズも異なります。 メーカーによって表記が異なりますが、主に使われるものは、
スポーク線径2.0mm=#14=14G スポーク線径1.8mm=#15=15G
太さが違うものの互換性はありません。使用するスポークに合ったものを使用します。
ニップルの長さは12mmが最も種類が多いですが、14mm、16mmのものもあります。厚みのあるカーボンリム等では掴み難い場合もあり、その場合は長いものを使用したほうが良いでしょう。積層の厚い頑丈なカーボンリムでは、16mmが適するケースもあります。
なお、長いニップルを使った場合でも、ニップル側のねじ山の長さは長くなるとは限りません。「スポーク長がやや短めの時、長いニップルを使えば組める?」 答えはノーです。実際に、ねじ山にどのぐらいスポークがかかっているか、組立の前にスポークをねじ込んで確認してみましょう。ネジ山が見えていないだけで、かかりが浅くなっていないでしょうか?



様々な長さと形状のニップル。赤い部分はネジ切り部。すべて同じ長さになっています。スポーク長はどうでしょうか?


サイズについて、注意すべき点がもう一つあります。ニップルレンチをかける部分の2面幅には幾つかの種類があり、ニップルが異なると、違うサイズのスポークレンチが必要になる場合もあります。
例えばホシのニップルはJIS規格の二面幅 3.4mm 、DTなどは 2面幅3.2mm となっており、異なるサイズのニップルレンチを使うと、嵌らなかったり舐めてしまったりします。
一見、普通のニップルに見えるシマノの完組ホイールも、微妙にサイズの異なる2面幅のニップルになっています。ニップルに合った専用のニップルレンチを使いましょう。ペンチ等で無理やり挟んで回すと、舐めて外れなくなったり、壊したりする可能性があります。


・ニップルの材質
手組用として流通している殆どのものは、ブラス(黄銅)かアルミです。アルミは軽量でカラーも豊富ですが、特にテンションを上げると舐めやすいので、組立には注意が必要。初めての手組なら、角を舐めにくく丈夫なブラスが扱いやすいでしょう。なお、ブラスのブラックの着色は剥がれやすいです。気になるようならシルバーが無難。