2019年2月14日木曜日

とても地味なワッシャーの話をしよう


よく頂くご質問で「○○のリムで組む場合はワッシャーは何を使ったらいいですか?」というのがあります。

もし、そのリムに推奨されているワッシャー及びニップルがあれば、それを使って下さい、という回答になります。現行DTのリムは、ワッシャーとニップルが付属していますので、組む場合はそちらをご使用になることをお勧めします。もし、組み換えや足りなくなった場合にも、オンラインショップで販売しています。

さて、ニップルはスポークとリムをつなぐ大切な部品なので、無いと組む事さえできませんが、ワッシャーはどうでしょうか?
完組ホイールを分解した時に、思わぬところからワッシャーが出てきて、失くさぬよう焦ったケースも多分あると思いますが、ワッシャーを使ってないものが圧倒的に多いかと思います。
そう、ワッシャーを入れて下さい、という指定のリム及びハブは非常に少ないのです。殆どのケースでは入れる必要が無いと思われます。
では、ワッシャーは何のために使うのか?スポークやニップルだけでなく、様々なワッシャーを製造しているSAPIMの本国サイトを覗いてみましょう。
https://www.sapim.be/tools/washers (英文サイト)
ここに挙げられている「2種類のワッシャー」とは、ニップルワッシャーとスポークワッシャーだそうです。普通、ワッシャーと呼ばれているのはニップルワッシャーの方でしょう。
グーグル翻訳では、
「ニップルワッシャーはリムの強度を高め、ニップルとリムの間の摩擦を減らします。」
と、このようになりました。
リムの強度を高める。おぉ、魅惑の一言ですね。
ところでリムの強度とは、どれぐらいあるんでしょうか。
表記されているリムの最大スポークテンションを調べてみましょう。
Stan’s NoTubes RIM GRAIL MK3 1225N
CREST MK3  930N
いずれのリムもワッシャー使用の指定はありません。
恐らく、組まれる方でしたら「ここまでテンション上げたら、ものによってはスポークまたはニップルを傷つけてしまう!」という反応になるんじゃないでしょうか。
今時のリムは、普通に組むケースでしたらわざわざ「強度を高める」必要は無いというのがご理解いただけるかと思います。
(余談ですが、某リムメーカーの方がアイレットについても「近年のリムに関しては、クラシカルなデザイン以上の意味は無い」と仰っていました)
「ニップルとの摩擦を軽減する」またはその他の理由でワッシャーを使うこともありますが、ニップルまたはリムと合っているかどうかは、やってみないと分からない、というのが模範解答でしょうか。
ワッシャー自体に反りや食い込みが生じた場合、ホイール全体にとってマイナスになるケースもあります。使う場合は使うことがメリットになるのかどうか、慎重に検討した方がベターでしょう。ワッシャーを入れて組むのは手間もかかりますしね。
しかしワッシャーは100枚単位なので、合うかどうか分からない?
そこで、ワッシャーお試しセットを用意しています。SAPIMの4種類のワッシャーが入ったセットになります。実際にリムやニップルに合わせて適合をご確認ください。
因みに、もう一つの種類の「スポークワッシャー」については、フランジの厚みとスポークの首の長さが適合せず、スポークの首部分が長い場合に補正するという目的で使われていたそうです。
今どきのハブとスポークでは殆ど使う機会が無いと思われますが、推奨するハブは「フランジが鉄製」だそうです。スポークワッシャーもお取扱いはありますが、500枚単位となります。

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